Ray/レイ
2005年 11月 12日
誰もが聞いたことのある名前、「レイ・チャールズ」の半生を描いた映画。私はジャズやR&Bに詳しくないので、レイ・チャールズ自体をただ「すごい人」だっていう印象しかなくて、この映画を見て初めて知ったことが多かった。彼は映画の完成直前に亡くなってしまった。
レイの音楽は、どの曲もレイ・チャールズ自身やその時代を反映している。そして「盲目の黒人」というハンデを見事に克服し、尊敬される人物となった原点は母親の「愛」だった。時折出てくるフラッシュバックで彼の子供時代が出てくるが、このレイの母親は素晴らしく聡明で強く、彼女の教えが彼の成功を支えた。盲目だからといって甘えるな、自分の足で立て、騙されないよう勉強をしろ・・・・・そして、小さい頃に死んでしまった弟のトラウマを克服したとき彼は本当に「自分の足で立つ」ことが出来るようになった。
音楽、酒、女、クスリ。天才は時にもろく、自分を見失うことがある。そんな時に彼の妻ビーは家庭の素晴らしさを教え忍耐強く彼を見守り、支え、クスリを絶つきっかけを与える。この妻との関係をもっと掘り下げたらよかったかなぁ、とも思う。
音楽は素晴らしく、ジェイミー・フォックスもレイ・チャールズそのもの。生きているレイ・チャールズをじっくり見た覚えがないので、レイ・チャールズがどういう人かということについてはうろ覚えだけど、ジェイミー・フォックスという人の影がまったく見えないのがすごいと思った。まったくの別人!「愛と青春の旅立ち」「モハメド・アリ」のテイラー・ハックスフォード監督は手堅く丁寧に作り上げたと思う。ちょっとキレイすぎて大衆ウケを狙っている感じもするが、見ていて飽きることはなく安定感があった。
どうでもいいけど、会社にレイ・チャールズそっくりの同僚がいます。黒人で長身、常にサングラスをかけ蝶ネクタイで、レイ・チャールズのしぐさとそっくり!!ジャズピアノや、楽器は何でもできるみたい。実は彼こそ、ジェイミー・フォックスを超えていると思う・・・・(笑)
Story
ジョージア州の貧しい家庭に生まれたレイ・チャールズ・ロビンソン。彼は、病弱ながらもけなげな母アレサによって弟と仲良く育てられた。だがある日、弟が溺死してしまう。そしてレイも7歳の時、視力を失った。1948年、17歳になった彼は、バスでシアトルへ旅立った。そこで間もなくピアノの才能を認められたレイはバンドのツアーに参加し、盲目の天才と呼ばれるようになる一方で麻薬に溺れ始める。それでも52年にはレコード契約を結び、やがてゴスペル・シンガーのデラ・ビーと運命の出会いを果たすレイだったが…。
監督:テイラー・ハックスフォード
出演:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、クリフトン・パウエル、ハリー・レニックス
2004年 アメリカ
Ray/レイ オフィシャルサイト
2005.11.12 ★★★★
by usamari
| 2005-11-12 22:48
| ま/や/ら/わ行の映画