ウォーク・ザ・ライン【WALK THE LINE】
2006年 02月 27日
大好きなホアキン・フェニックスがゴールデン・グローブ賞受賞、アカデミー主演男優賞にもノミネートされている本作。アメリカでは有名な歌手、ジョニー・キャッシュの生涯を、ラブストーリーとして描いている。私はジョニー・キャッシュ自体を知らなかったので、本人や音楽に関してはなんとも言えないがU2のボノやボブ・ディラン、カート・コバーンら様々なジャンルの大物達がこぞって絶賛していた人物らしい。coldplayのX&Yにも、彼に捧げる曲が入ってます。カントリーだけにとどまらず、ロカビリー、ロック、後の色々なジャンルの歌手達に影響を与えた人物。どんな人だろうと思って観ました。
貧しい家庭で育ち、事故で最愛の兄を亡くし、売れてからは酒とドラッグにハマりボロボロに・・・というありきたりなスターの伝記物の枠は出ないし(でもそれが本当だったんだから仕方ないか)、演出やストーリー自体に若干力はないものの、ホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーンの熱演が素晴らしかった!実在の人物を演じるにあたってのプレッシャーを感じさせず、吹き替えナシのステージもうまくてびっくり。純粋な青年から、酒やドラッグにおぼれ立ち直るまでのジョニーを演じたホアキンの演技力の幅広さに脱帽。そして、くるくると表情が変わるチャーミングさと、大人の女性の芯の強さを見せ付けたリース。今まで「リガリー・ブロンド」みたいなラブコメが多かったけど(あの映画大好きです)、シリアスな演技も出来るし、すごく才能のある女優だと思う。
音楽は素晴らしいが、芯は弱い男ジョニー・キャッシュ。全てを手に入れても、彼の人生にはジューンが必要だった。しかし、ジューンがずっと結婚を渋ったのも、納得がいく・・・・苦労が目に見えてるもん(笑)彼と結婚するのは簡単だけど、長年友達でいて、それを見極めてきたジューンは素晴らしいと思う。本当に人を理解するって、それくらい時間のかかるものだよね。同じ大物の生涯を描いた「Ray」とは違って、ラブストーリーに焦点を絞り、素直に感動できた。ラストのステージでのプロポーズ(本当にあんなことあったのかな?)ではかなりグっときてしまった。
ジェームズ・マンゴールド監督は個人的に「17歳のカルテ」以外に良い作品はないものの、これからも才能のある俳優と組んで良質な作品を撮って欲しい監督の一人です。
40年台から60年代のアメリカの雰囲気がリアルに感じられ、リースの着ていた洋服や髪型は、今見ても可愛い。ラスト、エンドロールでホンモノの彼らの歌声が聞けます。劇中の2人の声と比べてみては?
どうでもいいけど、あのT-1000がホアキンのお父さん役だよ・・・・それにもびっくり。
そして、邦題の「君に続く道」ってそれ、いらないんじゃ・・・・「君に読む物語」のパクリ?
NOTE
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン、 ジニファー・グッドウィン、ロバート・パトリック
2005年 アメリカ
Story
貧しい家庭に生まれたジョニー・キャッシュ。酒に溺れ、暴力を振う父に怯える毎日だったが、そんな彼の心の支えは優しい兄ジャックとラジオから流れてくる少女ジューン・カーターの歌声。ところがある日、その最愛の兄が事故で亡くなってしまう。やがて成長したジョニーは2年の軍隊経験を経て初恋の女性ヴィヴィアンと結婚、訪問セールスの仕事に就く。しかし仕事はうまく行かず、趣味のバンド演奏をまるで理解しないヴィヴィアンとの間にも溝が深まるばかり。その後、プロのミュージシャンとなったジョニーは、全米中をツアーする中で、少年時代の憧れ、ジューン・カーターとの共演のチャンスを得るのだった。
ウォーク・ザ・ライン/君に続く道 オフィシャルサイト
2006.2.27 ★★★★
by usamari
| 2006-02-27 20:46
| あ/か/さ行の映画