movie+music+love=maimai


by usamari
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シリアナ【SYRIANA】

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石油。地球上でもっとも力があるもの。人類が恩恵を被りながらも、破滅へと向かわせるもの。この映画を見て、普段何気なく使用している石油のパワーを改めて感じました。

話が難しく、舞台は世界中あちこちへ飛び、場面はコロコロ変わりついていくのが大変。これ誰だっけ?今誰の話してるの?ってずーっと集中しながら見てて疲れてしまった。ただ、一見難しく見えるけど、根底にあるものは単純で全て「石油」というモノに操られる人々の話。石油会社の人々はもちろんCIAに見限られるエージェントも、中東某国の王子も、純粋に神を信じる青年も、一介の弁護士も。得をするのは陰謀を張り巡らせる、一握りの権力者。人々が抗えない力に操られていく様子を描き出す。

私の大好きな「トラフィック」の脚本家スティーヴン・ギャガンによる本作は、「トラフィック」らしく色々な人々のエピソードを集めて行く群集劇。群集劇は、一見バラバラの出来事が最後に収束していくところに魅力を感じるのだが、元々の構成の力が弱くカタルシスを感じるところまでいかないのが残念。「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ監督の「見せ方」のうまさを改めて感じた。ただ、この映画は紛れもなく問題作であり、見るべき作品だと思う。日常の話ではないし、スケールが大きすぎて想像が追いつかず頭はフル回転だったから、違う意味で集中させる力もあると思う(笑)

そんな身近ではないストーリーだが、中東の底辺にいる若者が自爆テロを起こす瞬間、ものすごい痛みとやりきれなさを感じた。私達のような権力のない一般の人々は、彼に感情移入をしてしまうんじゃないだろうか。純粋に自分の家族や国を思うだけなのに、自分では気づかずに見えない巨大な力に操られてしまう・・・・。今世界中で起きているテロ。テロリスト達の大半は、こういう若者なんじゃないだろうか。実はアメリカや、一権力者の陰謀のコマにされているだけ。

この映画を見ていると全ての国が何らかの陰謀や策略を持っていて自国の利益のために必死なんだな、というのが客観的にわかる。アメリカだけじゃなく、もちろん日本も。

この作品でアカデミー助演男優賞を受賞したジョージ・クルーニー。一見太ったただのおっさんに見えるところがすごい。ただのチャラチャラした俳優だと思ってたけど、最近骨のあるいい役者になったなぁ(笑)個人的には、弁護士のジェフリー・ライトの複雑な立場にある時の、表情や演技が一番良かったように思うけど・・・・。彼はこないだ見た「ブロークン・フラワーズ」のようなコメディから今回のシリアスな役、前は「バスキア」なんかもあったり、幅広く演じられる貴重な役者です。その他にもこないだ見た「ヒストリー・オブ・バイオレンス」と全く違ってびっくりしたウィリアム・ハート、豪快な石油会社のトップを演じる演技派クリス・クーパー、出演時間は短いながらも強烈な印象を残すティム・ブレイク・ネルソンなど実力派揃い。マット・デイモンだけは「まっと・でいもん」でしたが(わかる人だけわかればいいです(笑))ほんっと彼はアメリカン!って感じ(どんな感じ?)なんか今回の役も違和感ありすぎて・・・・。

問題作だけど、石油会社も中東諸国もアメリカも、こんな映画が公開されたところで痛くもかゆくもない。皆が気づいてることだし、何を今更って開き直るかも。つくづく、アメリカって色んな意味ですごいなぁと思う。

きっと、色々感じることはあると思うから是非見て欲しい映画です。

Note
監督:スティーヴン・ギャガン
出演: ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、 アマンダ・ピート、クリス・クーパー、ジェフリー・ライト
2005年 アメリカ

Story
改革に意欲的な王子ナシールが王位継承権を持つ中東のとある小国。長年危険な諜報活動に従事してきたCIA工作員のボブに極秘指令が下される。ワシントンの大手事務所で働く野心溢れる弁護士ベネットは、アメリカの巨大石油企業コネックス社が絡んだ大型合併を巡る調査を任される…。ジュネーブに暮らすエネルギーアナリストのブライアンは、ある出来事をきっかけに、ナシール王子の相談役に抜擢される…。ナシールの国に出稼ぎに来てコネックス社の油田で働いていたパキスタン人青年ワシームは、突然の解雇に遭い、路頭に迷う…。まるで繋がりを持たないはずの彼らの運命は、容易に見通すことのできない一つの巨大なシステムの中に深く組み込まれていく。

シリアナ オフィシャルサイト

2006.3.11  ★★★★
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by usamari | 2006-03-11 22:51 | あ/か/さ行の映画