movie+music+love=maimai


by usamari
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Sicko

マイケル・ムーアの最新作。
今までで一番評判が良いということで、早速見てきました!

確かに、今までのマイケルとは一味違う!ロジャー&ミーの頃からだいぶ大人になったようです(笑)見る人の心への訴え方がうまくなりました。いつもなら、自ら進んで保険会社の重役へ訴えに行くところを、ぐっと抑えて私達へ「行動すること」を託しています。

アメリカはご存知のように、国民健康保険がありません。その代わり、民間の保険会社に各自加入して、加入できない人は自力で治すか大病になったら破産。その問題もあるんだけど、この映画は「民間保険会社に加入している人」に焦点を当てたドキュメンタリー。

毎月高いお金を払って加入しているにもかかわらず、いざ入院、手術で給付される段階であれこれと理由をつけて給付を払わない保険会社。日本でもあることだけど(保険調査員とかいるもんね。保険金殺人とかあるし)、アメリカは異常。

骨髄移植が必要な夫は、マッチしたドナーが現れたにもかかわらず、保険会社がなかなかお金を給付しないために死んでしまった。高熱が出た娘を近くの病院へ運んだら、その病院ではその子の入っている保険会社の適用外だからと他の病院に行けといわれ、その途中に死んでしまった。22歳で子宮がんになった女性に、「あなたの年齢でそのがんはあり得ない」と支給されなかった女性。契約前に書くような類ではない些細な病気を記入していなかったと指摘され、保険契約を切られた女性。保険会社によって苦しめられている様々な人たちが出てきます。

まさに国民の命綱なのに、政府は保険会社の利益のために裏金をもらい、天下りをし、企業に有利な法案を通す。治療を拒否した(保険適用を却下した)医師のほうが給料が良く、ボーナスを支給したりする。

国民皆保険制度を公約にしたヒラリー・クリントンは、巨大な保険市場から目の敵にされ、その公約は抹殺されたしまう。国民健康保険にしたら、保険会社の利益が成り立たないから。

命を営利目的にしていいんだろうか?命に値段はないというけど、実際アメリカにはあるんだろう。お金を持たない人々は特に、最初から命はないも同然の扱い。

そんな人々や狂った社会のドキュメンタリーを、重くなくジョークさえ飛ばしながらテンポ良く見せる手腕はさすが。観客を飽きさせないドキュメンタリーは、色々な問題を幅広い人たちに知ってもらえるからマイケル・ムーアの功績は大きい。

ただ、アメリカは世界一の医療技術を持つ国だし、薬の開発もアメリカが一番。でも、その恩恵を受けられるのは一部の裕福層だけ。国として国民の健康を維持できないというのは第三国より劣ると思う。

日本も「医療構造改革」で民間へ保険を移行する動きがあるらしい。医療は大きい儲けになるから。どうしてそういう悪いところだけアメリカに倣うんだろ?もはや他国の話ではない。自分自身に降りかかってくるかも、と思うとゾっとする。。。
その辺のホラー映画よりよっぽど怖い映画です。

とりあえず、カナダ人と結婚するか、フランスに移住したくなる映画です(笑)

2007.9.8 ★★★★☆
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by usamari | 2008-01-25 15:05 | あ/か/さ行の映画