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by usamari
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サイドウェイ 【Sideways】

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監督:アレクサンダー・ペイン
出演 : ポール・ジアマッティ トーマス・ヘイデン・チャーチ ヴァージニア・マドセン サンドラー・オー
2004年 アメリカ

前々から評判が良く、アカデミー作品賞にノミネートされた作品。受賞はできなかったけど、そのほかの全米批評家協会賞、ゴールデングローブ賞など総なめ状態でした。主役はスターでもなんでもないおっさんだし、話も地味だし日本じゃ受けないだろうけど映画館は満席でした。

40を過ぎて、2年前に別れた妻に未練たらたら。小説家を夢見る英語教師の主人公は、昔は昼メロのスターで今はCMで稼いでいる親友が結婚することになったので2人で旅に出る。旅の行き先はカリフォルニア・ワインロード。その旅を通して、2人は人生を見つめなおす・・・

とにかく、私はおっさんでもなければ40代でもないけど主人公に共感しまくり。胸が詰まってしまうシーンが結構あった。でも、作品全体は暗くなくてコメディだから、すごく笑える。笑いながら、自分の人生を考えてしまう映画。
主人公の2人とも、もう若くもなくて夢も叶わないことを知って、あとは人生下り坂になるだけ。だけど、飲み頃を過ぎて下り坂になったワインも捨てがたい味がする、と旅で出合ったマヤは教えてくれる。そういう自分も悪くない。

この映画のもうひとつの主役はワイン。私は全然ワインに詳しくないけど、この映画に出てくるカリフォルニア・ワインは本当においしそう!映画が終わった頃には、にわかワイン博士になった気分です。ピノ種は手間を掛けないと美味しく育たないんだよ、なんてね。

主演のポール・ジアマッティは色んな映画に脇役で出て、強烈な印象を残してきた俳優。ちょっと前に「アメリカン・スプレンダー」を見てたんだけど、この人はほんっとに芸達者だわー。アカデミーの主演にノミネートされなかったのが不思議。色男でもなんでもないんだけど、だからこそ情けない男を演じさせたらこの人の右に出るものはいないと思う。この映画で知ったトーマス・ヘイデン・チャーチもいい!味のある演技をする。この人の笑いの間はすごくいい。素直に笑えた。トーマスがいなかったら、ただのメロドラマになってたかもしれない。

監督は私のお気に入り、アレクサンダー・ペイン。前作「アバウト・シュミット」でジャック・ニコルソンを退職間際の情けない男に仕立て上げ、その前はリース・ウィザー・スプーンをイヤミな女子高生に仕立て上げてた。(「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」・・・それにしてもすごい邦題だ・・・・)この監督の目線は、普通の人とちょっと違っていて面白い。毒を入れつつ、ちょっと変わった人物を見せるのがうまい。

久しぶりに、自分の気持にピッタリきた映画だった。この映画は、その時自分の置かれている状況によって感想が違うんじゃないかなぁ。経験がない若い子はなんとも思わないかもしれない。ちょっとほろ苦い、大人の映画です。ワインのようにあと10年後にまた観たら、違う味わいの映画になってるかもしれない・・・・。

サイドウェイ オフィシャルサイト

2005.3.6  ★★★★★
by usamari | 2005-03-12 21:21 | あ/か/さ行の映画