CODE46
2005年 08月 08日
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:ティム・ロビンス サマンサ・モートン オム・プリ
2003年 イギリス
STORY
近未来の上海では、 パペルと呼ばれる、 選ばれた者のみ持つことのできるパスポートが違法に取引されていた。依頼によりその捜査に乗り出した、 "共鳴ウイルス"の服用を許されているため相手の嘘を見破れる男、 ウィリアムは、 すぐにパペル発行会社社員のマリアが犯人だと見破った。しかしその後彼がとった行動とは…。
マイケル・ウィンターボトムが描く、近未来を舞台にしたラブストーリー。ストーリーだけだとミステリー?と思うけど、近未来の産み出した切なくはかないラブストーリーだった。
この映画は話を追うというより、映像に酔う映画。映像がとてもクール!あの近未来の上海の映像は、どう作ったんだろう。上海にあんな道路ないよね?そして、「パペル」を持たない者、規定を破った者は街の外に追放され、街の外はまるで中近東の砂漠のよう。
言葉も英語、中国語、なぜかスペイン語にフランス語と色々な言葉が普通に飛び出す。最初は違和感があっても、そのうち違和感がなくなる。色んな人種がいて、世界の国境がなくなることを表してるのかな。
音楽と映像がピッタリハマって、不思議な世界を作り出す。光を「公害」とする近未来は、昼間でも淡い光の中で生活する。全体的に暗いトーンなのに、暗さを感じさせない映像。微妙な光がとても印象的。
ティム・ロビンスは「宇宙戦争」で狂った初老の男を演じてたと思ったら、こっちではかなりリッチでエリートな男を演じている。こうやってみると背も高いし、ステキだよね。さすがです。サマンサ・モートンは相変わらずイノセントで不思議なオーラを持った女性。無邪気で小悪魔的で、小動物みたい。
監督のマイケル・ウィンターボトムは作品ごとにテーマが変わって引き出しのいっぱいある人。どの作品にしても独特の世界観を持っていて、大好きな監督の一人です。サントラのセレクトもいつもセンスがいい。中でも「イン・ディス・ワールド」と「24アワー・パーティ・ピープル」はかなりお気に入りの作品です。
主人公達の心の動きがわかりにくいから、ストーリーでのめりこめないところもあるけど、映像を見てるだけでも価値のある映画だと思います。でも、後半からラストにかけては、禁断の愛だからこそ刹那的な心情が伝わってきて苦しかった・・・。一番最後の「i miss you」でCOLDPLAYの曲がかぶるシーンが良い。美しい映画でした。
オフィシャルサイトがなくなってしまった・・・・COLDPLAYの曲が流れて、ステキなサイトだったのになぁ。
2005.8.6 ★★★★
by usamari
| 2005-08-08 00:38
| あ/か/さ行の映画