ブラザーズ・グリム【THE BROTHERS GRIMM】
2005年 11月 13日
あのテリー・ギリアムの最新作!!私は「未来世紀ブラジル」が好きなんだけど、最後に見たのは「ラスベガスをやっつけろ」だったかなぁ・・・・。こんなにCMやってるしメジャーな感があるのは、「12モンキーズ」以来かもしれない。でも、この映画を真面目な「ハリポタ」のようなファンタジーだと思ったらダメです。グリム兄弟の純粋な映画だと思ったらダメです。この映画はコメディです。完全に。お子様には向きません。
ストーリーははっきり言って破綻しまくりで、編集もうまくない。グリム兄弟を主人公に、「赤頭巾ちゃん」「ヘンゼルとグレーテル」「ジャックと豆の木」等のグリム童話のエッセンスを散りばめたのは面白いが、それだけでは勿体ない!もっと面白くできたはず、と思ってしまった。でも大作な割りにセット感丸出しだったり、主人公達は不真面目なペテン師だったり、ディティールが笑えた。なんか、テリー・ギリアムらしいなぁと。笑ってるのは私だけだったけど・・・。CGの映像も不気味なキレイさがあって、やっぱりテリー・ギリアムの独特の世界観は健在。「12モンキーズ」のほうがストレートな大衆向けの映画だったように思う。この映画は、全国系の家族向けより、単館のほうがぴったりだったかもしれない。
口のうまいグリム兄にマット・デイモン。学者肌の弟にヒース・レジャー。このメジャー感がちょっと浮いてるなぁ、と思ったけどピーター・ストーメアとジョナサン・プライスの相変わらずの変人っぷりでなんとか救われた。呪われた王女のモニカ・ベルッチは、豪華な脇役という感じ。ぴったりだけど勿体ない使い方だったかなー。いつもならそんなに気にならないんだけど、フランス占領下のドイツ、という設定なのにほとんど英語で、出てくるキャラクター達の英語のなまりがバラバラだったりと統一感がなくてなんだかなぁ、と思った・・・。ま、俳優達の出身地がバラバラだからしょうがないんだけど。
プラマイで全体的にまぁまぁかな、という感じです。期待が大きかっただけにちょっとがっかりだけど、嫌いじゃないです。ただ、もっともっと、暗くてシニカルだったら良かったな。
Story
19世紀のドイツ。兄ウィルと弟ジェイコブのグリム兄弟は各地の村を旅して、その地に伝わる古い物語を集め回っていた。その一方で、村人たちを苦しめている恐ろしい魔物がいればそれを退治し、賞金を手にしていた。ところが、魔物の正体は兄弟とその助手たちがでっち上げたイカサマだった。しかし、それがバレて将軍ドゥラトンブに捕まった兄弟は、ある村で起きている少女連続失踪事件の解明を命じられるのだが…。
監督:テリー・ギリアム
出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ、ジョナサン・プライス、ピーター・ストーメア
2005年 アメリカ
ブラザーズ・グリム オフィシャルサイト
2005.11.13 ★★★
by usamari
| 2005-11-13 23:34
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