いやーーー良かった。
ペドロ・アルモドバルの最新作。主演のペネロペ・クルスと脇を固める6人の女優が全員カンヌで女優賞に輝いた、というウワサの映画。
ストーリーに関しては、予備知識ナシで見たのですが、それがまた良かったのかも。アルモドバルなら、ハズレなし!というのが改めてわかった。
スペインはラ・マンチャの村の女性達はたくましく、したたかで、美しい。ストーリーはサスペンス、母と娘の確執と許容、そして帰郷への想い、今までのアルモドバルにしてはそこまで変質的でもなく、観やすい作品。冒頭から、あれっ!こう来るか!!と良い意味で期待を裏切られ、テンポ良くストーリーが進んで行き、クギヅケになって思わずラストでは泣いていました。
とんでもないことが起こっていても、彼の映画はそれがサラっとエピソードのひとつ、伏線のひとつとして描かれ、根底にあるテーマがしっかりしているから、ブレることがない。どんなにシリアスなことが起こっていても、コメディのように笑えるかと思いきや次のシーンは残酷な場面だったり、感情の揺さぶり方が名人芸です。
相変わらずカメラワーク、色使いも冴えていて、いくつかのシーンははっとするほど。だから、彼の映画は印象に残るシーンばかり。ペネロペの胸を真上から撮り、包丁を洗うシーン。お母さんが、ベッドの下から娘の足を見ているシーン。真っ赤な血の色。などなど。ペネロペが、ボルベールという歌を歌うシーンは素晴らしい。
ペネロペ!!!トム・クルーズの元彼女、ちょっとカワイイけど・・・あまり好きじゃないなぁと思っていたら!!もう、すごい女優さん。今まで気づかなくてごめんよ。と謝りたくなった。容姿の素晴らしさもさることながら、深みのある演技、感情の表し方に圧倒された。やっぱり英語での映画より、母国の映画がいいんだろう。どんなにみすぼらしい格好をしても、画面に出ているだけで、魅力がスクリーンからあふれ出てくるような女優。
各キャラクターが立っているので、他の女優もそれぞれが主演のよう。それぞれ深みがあります。女は、色んな秘密があり、色んなことがあるけどやはり母親は強く美しい。途切れることのない、母親の愛情を感じます。
ペネロペのスタイル、ファッション、靴がとってもステキだった・・・ため息が出る。あー、この映画について好きなところが沢山ありすぎて、大変。ほんと、アルモドバルの映画は後を引くな・・・。
★★★★★
#
by usamari
| 2007-07-30 20:11
| た/な/は行の映画